いろいろなサイトでアーロン博士のHSC23のチェックリストが紹介されています。
私は、23項目に一つも当てはまらない方はほとんどいらっしゃらないのではないかと思いますし、これによってむしろHSPの輪郭が非常に曖昧なものになっているのではないかという危惧を感じています。
アーロン博士は、著書『ひといちばい敏感な子』の巻末(なんと参照文献の後です!)の部分で、23のチェックリストに挙げられている表面上の行動の根底には
①深く処理する
②過剰に刺激を受けやすい
③感情の反応が強く、共感力が高い
④ささいな刺激を察知する
以上の4つの性質があるとし、「4つのうち1つでも当てはまらないなら、おそらく『人一倍敏感』な性質ではないと思います」(425ページ)と述べています。
英語版ではAuthor's Note ,2015 Aron,E(2002).The Highly Sensitive Child: Helping Our Children Thrive When the World Overwhelms Them. HSP4つの性質DOESを報告しているこの文章が巻頭です。仏語版もここが最初です。 日本語版は巻末に在るため、ほとんどの方が注目しないか読んでいません。
この部分は、新たな研究の結果として日本語版が出版されたタイミングで2015年2月に付け加えられました。
参照文献の後にひっそりと掲載されていますが、私は日本語版でも巻頭に掲げられるべき非常に大切な箇所だと考えています。
アーロン博士も、本書全文を読んでもらえない人にも「ここだけ見てもらえれば」と強調されています。
本をお持ちの方も、今一度じっくりと読み直してみてください。
もりやゆうこ HSP・HSC/ギフテッド専門カウンセラー
エレイン・N・アーロン著、明橋大二訳『ひといちばい敏感な子』(一万年堂出版、2015年)423ー439ページ。