愛することと、愛を受け取ること。。。

 

母の言う「いい子」がわからなくて、

わたしは母を度々怒らせてきた。

 

「ゆうこは本当はすごく悪い子なの。

いい子ぶっているだけ」 

  

母は一度腹を立てたら

わたしが謝るまで、決してわたしを許さなかった。 

 

12年前、

 

「お母さまはもう謝らないで。 

二人の人間がいて、

一方だけが完全に間違っているなんて、僕は無いと思う。

お母さまはいつもおばあちゃんに謝ってきたでしょう。

次に謝るのはおばあちゃんの番だよ。

だから、お母さまはもう謝らなくていいんだよ」

 

と息子が言ってくれて、わたしは母に謝るのを止めた。

 

「お母さまは自分で自分をちゃんと育ててきたんだね。本当にえらかったね」

 

以来、ずっと義絶状態が続いている。 

メールを送っても返信はなく、

子どもたちと連れ立って訪ねても

電話をかけても、出てこない。

宅配便は受け取り拒否で返される。

 

ある日、台所で皿を洗いながら

涙をこぼしたことがあった。

 

その姿を見た娘(当時3才)がしたのは

思いもかけない吃驚仰天の行動だった。

 

「あ、電話だ!」

 

玩具の電話機を手に取って、

話し始めた。

 

「もしもし、おばあちゃん?

はい、はい。ママはとっても元気で頑張っています。

はい、ありがとうございます。

おばあちゃんもお元気で」

 

それから、わたしの方を向いて微笑んだ。

 「ママのお母さんからお電話があったわよ。

ママは元気かって聞かれたから

ママは元気で頑張っていますって言ったわ。

そしたら、とっても喜んでいましたよ」

 

わたしの涙がぴたっと止まった。

どうして母のことで泣いていたのが分かったんだろう?

なんかすごいなあ、こんなにちっちゃいのに。

 

娘の掛け値無しの大きな愛の衝撃波を受けて、

わたしのインナーチャイルドはぶっ飛んだ。

 

娘の演じてくれた虚が、

母親の愛を希求するわたしの心を完全に満たし

実となった瞬間だった。

 

 

 

こどもたちの愛はとてつもなく大きいエネルギーの塊で、

決して小さくて弱弱しいものなんかじゃない。

 

どうか傷ついて愛を信じられなくなった人たちに、

たくさんのこどもたちの愛が届きますように。

 

そして、いつかわたしの愛も

母に受け取ってもらえる日が来ますように。

 

「お母さん、ありがとう」

 

口に出して言うと、本当に届くような気がして

時々、何度も何度もつぶやいている。

 

たぶん、母が「いい子ぶり」と言ったのは

わたしのこういうところなんだろう。

 

でも今は、

お母さんがわたしをどんなに悪い子だと言っても

わたしは本当にいい子なんだと知っている。

 

「お母さん、わたしを生んでくれて、ありがとう」

と今日もつぶやく。

 

もりやゆうこ HSP・HSC/ギフテッド専門カウンセラー