小学校で初めてマラソンをした1年生の頃、
「ねえママ、心って弱いの?
先生はマラソンをすると心が強くなる、って言うのよ。
でも、わたしは、心はもともと強いと思うの。
わたしの心は弱いの?だからマラソンで強くしないといけないの?
わたしは走るのはイヤじゃないけど、なんだかイヤなの」
と言って、娘は悲しく目を赤くした。

「うわぁー!!」
出産の時、自分の身体から温かい生き物が
ブルルンと勢いよく飛び出してきて、
その瞬間にわたしはビックリ仰天して叫んだ。
わたしはその時まで、
赤ちゃんを「生む」んだと思っていた。
でも、そうじゃなかった。
赤ちゃんは「生まれてくる」!
生命の意思の光のまばゆさに思わず目を細めた。
「この輝きを、ちょっとも減らさないようにしなければ。
でも、わたしにそんなことができるかしら…」

自分の意思に背いて
他者の意思に従ってしまうと、
良いと思ってしたことでさえ
心に遺した気持ちが「恨」に転じてしまうことがある。
そしてその「恨」が、そうとは気がつかない形で、
いつしか他者の意思を踏みにじる動機になってしまう。
自分の意思に背かないことが、
他者の意思を想うことにつながる。
意思は、
地上の物質の全てに等しく宿り、世界を形作り、動かしている。
意思を歪めること、すなわち世界を歪めることになる。
ただ一人の、ただ一つの意思も、決して歪めてはならない理由は
これなのだ。
もりやゆうこ HSC・HSP専門カウンセラー