ありのままで生きるとは。。。

大学生時代、フランス語のクラスでいつも私の隣の席に座って面倒を見てくれたのりくんがある日こう話してくれました。

 

「僕、高校時代は野球部だったんです。文武両道って感じで勉強もすごく頑張ってて、推薦で大学に入りました。親が喜んでくれて、僕も本当に嬉しかったんです。でも大学に入ってから、僕は何がしたかったんだろうって考えてみたら、自分が好きなことがよく分からなくて。親が喜ぶと思うことしかしてこなかったから…。それで、取り敢えず髪を染めてみたんです。美容院で『できました』って鏡に映る自分を見せられた瞬間、『あ、親に会えない』って思っちゃって、それがまた情けなくて」

 

その時、私は

「将来、私がもしも結婚して男の子が生まれたら、親の目を気にしたり、自分の好きなことが分からないって悩んだりしないといいなあ」

と思いました。

 

これが根っこのこどもたちの原点かもしれません。

 

このことがあったからなのでしょう。 息子が生まれて一ヶ月後、新生児訪問の助産師さんがかけてくれた言葉が、不安でいっぱいだった私の心にまるで福音のごとく響きました。

 

「ママちゃん、分からないことがあったら赤ちゃんに聞くんだよ。みんな教えてくれるから」

 

以来、私はこの言葉だけを子育ての道を照らす灯にして子どもたちと暮らしています。

 

子育てには沢山の考えがあって、離乳時期やベビーカーの使用年齢、褒めて育てようとか、褒めるのは危険だとか全く正反対の意見があります。どちらも、なるほどと思います。「どっちなの?」って悩みます。

 

でも、大丈夫。分からないことは全部子どもが教えてくれます。

 

 

高2の時、息子がふとこんな言葉を呟きました。

 

「辛いことや苦しいことを、嬉しいことや楽しいことと同じように、そのまま受け取れるようになったよ。本当に幸せだなあと思う。いつも神さまに愛されている、だから大丈夫なんだって感じる。なるようになるって」

 

私はそれを聞いてとても安心しました。 ありのままで生きるとはそういうことなのだろうと思います。

もりやゆうこ HSP・HSC/ギフテッド専門カウンセラー